2010年4月18日日曜日

ロゴの何を判断基準としているか

ここまでいくつかのロゴについて解説してきましたが、
ロゴの良し悪しをどこで判断しているか、という疑問を抱く方もいると思います。

本来なら、最初に書いておかなくてはならないことだと思いますが、
あまり深く考えずにスタートしてしまいましたので、
ここで本ブログの基本的な方針を述べておきたいと思います。

ロゴの良し悪しを判断する基準は以下の3つです。

1.造形的な美しさ
2.テーマに対する、適切さ(説得力)
3.汎用性

これらの基準は、一般にロゴデザインにおいて教科書的な判断基準です。
ただし、これらを適切に判断するには、ある程度の美的感覚と経験の両方が必要です。
数値で計測できるようなものではないので、人によって評価が変わる可能性はありますが、
プロであれば「ある程度」は一致します。

上記の基準において「名作」と呼ばれるロゴはこれらすべてを満たしています。
ただし、「3」は想定される使用媒体が限定されていれば、かならずしも満たす必要はありません。
例えば、商品ロゴであれば、商品のパッケージにしか使用されないこともあります。その場合はパッケージデザインのなかで適切であればよいのです。
逆に、「3」が重要視されるのは企業のCIです。企業のロゴ・シンボルマークは、巨大看板から、名刺まで、使用範囲が実に幅広く、そのため細かすぎるデザインや、再現しにくいグラデーションなどは避けられる傾向にあります。企業ロゴがシンプルなものが多いのはそのためです。

上記判断基準において、一番評価の分かれるのは「2」だと思います。
これには、判断するそれぞれの人の「価値観」が入るからです。
つまり理想とする「デザイン観」はプロであってもそれぞれ違うのです。

本ブログは、「総佐衆」が考えるデザイン観に基づいて書かれています。
ですので、もしかしたらデザイン関連の教科書とは違うこともあるかもしれません。
そこも含めて本ブログを楽しんでいただけると幸いです。