2011年9月1日木曜日

mixiのロゴリニューアル

すでに報じられている通り、mixiがロゴをリニューアルしました。
以下、mixiからの発表です。


 【ロゴリニューアルポイント】 

 ・従来ロゴは、タイプと吹き出しマークがセットになっていましたが、

  新ロゴはそれぞれ単体で独立しています。 

 ・従来のロゴと比較し、PC、モバイル、スマートフォン等の様々なディスプレイで

  輪郭が鮮明に表示されるよう直線的な書体へ変更いたしました。 

 ・吹き出しロゴマークは、他のサイト等で利用される機会が増えたことを考慮し、

  多様なカラーと調和しなじみやすいナチュラルな色に変更いたしました。 




印象としては、「今っぽいけど新しくない、無難なデザイン」という感じでしょうか。
若い女性向けのフリーペーパーや、安めのファッションブランド、若者向けのカフェなどに使われそうなロゴです。一昔前に流行した「エコ」や「ロハス」を感じさせるナチュラルでクリーンなデザインだと思います。mixiのユーザー層を考えると、ロゴの方向性としては間違っていないのではないでしょうか。


しかし、疑問を持たざるを得ないのは「こんなに早くリニューアルする必要があったのか」ということです。従来のロゴに変わってから、そんなに経っていませんし、ようやく定着してきたロゴを、個性を感じさせないシンプルなデザインに変えてしまうことは、ブランディング上得策ではないと思われます。


特にイメージカラーを変えてしまったことはマイナスです。ユーザーのなかでは「mixiといえばオレンジ」というイメージが強く植えつけられていたと思います。これはブランディングとしては大成功です。それなのにそのイメージを簡単に捨ててしまうのはもったいないことです。確かに、過去の成功をきっぱりと捨てることも時には必要でしょう。しかし、その場合はより良いものを提示しなくてはなりません。


「今回のリニューアルによって、ロゴのクオリティはアップしたか?」と問われれば、私なら「クオリティとしては、上がっても下がってもいない」と答えるでしょう。しかも、今回のロゴはシンプルであるがゆえに、ごまかしがきかないデザインです。ロゴというものは、シンプルであるに越したことはありません。しかし、シンプルさを追求しつつ、個性を感じさせるデザインを作り出すことはとてつもなく難しいことです。
今回のmixiのロゴは、そういう観点において成功しているとは言いがたいです。


しかも現在、携帯やスマートフォンなどの小型端末のディスプレイ解像度はどんどん上がっていて、表現の可能性は進歩しているのに、「様々なディスプレイで輪郭が明確に表示されるように…」という理由は到底理解はできません。(この理由は後付けなのかもしれませんが…。)




色々と批判めいたことを書いてしまいましたが、悪いロゴだとは思いません。
結論としては「リニューアルしたことで特に得るものはない。ブランディングの観点からはちょっとマイナスになる」という程度のものだと思います。





●mixi(リニューアル)

造形:★★★

テーマ表現:★★☆
汎用性:★★★

※5点満点